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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第19章 潜入、白鳥沢学園3日目〜真夜中の食堂〜


「……もし、また私が知らず内に工に何かしてしまったのなら謝ります。でもそうでないなら、どうして挙動不審なのか、教えてくれませんか?」
「っ……」

工は気まずそうに顔を歪め、顔を俯かせた事により視線が逸れる。でも諦めきれなくて、「このままじゃ嫌だ」という思いが私を突き動かし自分の思いを言い続けた。

「工、お願いします。教えてください」
「っ……あ、えっと……」

工は私の質問に、俯いたまま口を開いたり閉じたりしている。そして膝の上に置かれている拳も震えていて、身体も小さく小刻みに震えていた。

「あっ……」

それらの普通ではない様子に、私は初めて工を追い詰めているような事をしているのだと気付いた。

「ご、ごめんなさい、工…!私……!」

誰にだって言いたくない事の1つや2つはあるだろう。……実際、私だってみなさんに自分が本当は人間ではなくて妖怪なのだと言っていないのだ。
なのに、私は自分の知りたいという気持ちを優先させて、工の気持ちを全然考えていなかった。
罪悪感に苛まれて慌てて謝るけど、工は俯かせたまま顔を上げない。……私の謝罪を受け入れられない程怒っているのだろうか。
もしそうならどうしようと顔を青くさせていると、工の様子がおかしい事に気付いた。目をギュッと瞑り額から一粒汗を流し、何かを耐えているような、悩んでいるような、そんな顔をしていた。

「つ、工…!もうさっきの質問に答えなくて大丈夫です…!だから……!」

その尋常じゃない様子に慌てて大丈夫だと伝えるけど、聞こえていないのか、それとも聞き入れる余裕がないのか、先程と同じで反応がない。

(ど、どうしよう…!………そ、そうだ!)

どうすればいいのか考えた末、私は1つの事を思いついた。
……自分には効果があったとはいえ、工にもそうだとは限らない。でも、ただ何もしないでいるよりかはいいと思った。

(よし……!)

私は意を決して手を伸ばす。
––––工の頭へと。

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