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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜



「鍛治さん、どこへ行くのですか?」
「保健室だ」
「保健室……?」

……確か保健室は、人が怪我をした時などに利用する所だった筈。なのに何故、今からそこへ行くのだろうか。
そう疑問に思い首を傾げていると、鍛治さんは動かしていた足を止めチラリとこちらを見る。そして私のある箇所を顎でしゃくった。その所を見てみると

「あ……」

そこにはジャージの腕の部分が何か鋭利なものに裂かれたみたいになっていて、皮膚が赤い線を引いていた。

(そういえば、すっかり忘れてた……)

そういえば、若利さんを庇った時に怪我をしたのだった。色々な事がありすぎてすっかり忘れていた。

「そういう事だ。分かったなら足動かせ」
「あ、はい!」

私が怪我をしていると自覚したら、鍛治さんはそう言って再び前を向き廊下を進む。保健室を目指して。
その言葉に慌てて返事をしながら、鍛治さんに言われた通りに足を動かした。……緩む頰が抑えきれないまま。











保健室に着き扉を開けると、中には誰もいなかった。

「誰もいませんね」
「それならそれで好都合だ」
「え?どうしてですか?」
「お前の手当てをしながら、さっきの話をしようと思ってたからな」
「なるほど」

鍛治さんの言い分に納得する。確かに、天孤の話をするのなら誰もいない方が好都合だ。
そう思いながら頷き、棚から消毒液などを取り出している鍛治さんを見つめてから私は頭を下げた。

「ありがとうございます」

私のお礼に鍛治さんは動きを止めると、少し不思議そうにこちらを振り返った。

「……何の礼だ?」
「怪我の手当てをしてくださる事に対してです」

怪我をした張本人が忘れていたくらいなのに、それを鍛治さんは気付いてくれて、しかも手当てまでしてくれると言う。これはもう、感謝せずにはいられないだろう。
もう一度お礼を言うと、鍛治さんは首を横に振った。



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