第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜
その事にホッと安堵の息を吐き、昨日のようにスポーツドリンクとタオルの入った籠を持とうとして、そういえばと思った。
(結局、天孤から何も聞き出せなかったな……)
人に対しての気持ちを改めたのはよかったけど、肝心の聞きたい事が聞けていなかった。……いや、質問はしたのだけどはぐらかせれた、みたいな感じになってしまっていた。
その事実に落胆して肩を落としていると、みなさんが鍛治さんと明さん、そして私の名前を呼びながら慌てた様子で近づいてきた。……きっと、天孤について報告するのだろう。
(知っているけど、ここは知らないふりをしなくちゃ)
「み、みなさん、そんなに慌ててどうしたのですか?」
そう思い自然を装うとしたけど、若干の棒読み感が否めない。失敗した!と顔には出さず心の中で嘆くけど、幸いみなさんは気付かなかったみたいでそのまま天孤について話し出した。
(よ、よかった……!)
「どうしたもこうしたもないよ!若利くんと工が、背中に翼を生やした変な女に襲われたんだよ!ねえ、2人共!」
「ああ。……あれは中々体験出来ない出来事だろう」
「二度と体験したくないですけどね……!!」
「でも、襲われたと言っても2人は無傷です」
「若利の話によると、白鷲が間に入って庇ってくれたそうなんです」
「正直言って不思議な事だけど、こればっかりはその白鷲に感謝だよな」
「しかもその変な女は、牛島さんと五色の名前を知っていたそうなんです」
「見知らぬ女が牛島さんの名前を知ってるとか……これはもう警察案件ですよ!牛島さんの平穏を脅かす者は即刻逮捕すべきです!」
「わあ過激ー。……でも五色も忘れずに」
「あ」
「酷いです、白布さん……!」
「悪い。素で忘れてた」
「なおさらタチ悪くないですか……!?」