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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜


彼女は天狗の妖怪。名は天孤。
あまり話した事はなかったけど、この辺りに住んでいる妖怪なのは知っている。でも、どこかに行っていたのか、最近姿を見かけてはいなかった。



だから、姿を見る事が出来て本当によかった。

(なのに……!)

何故工と若利さんを襲ったのか。
先程からそればかりぐるぐると頭の中で回り続ける。その疑問を解消するためにも、天孤を追いかける翼を休む事なく動かす。
そして見えてきた天孤の背中。どうやら翼はしまったらしく、黒いパーカーの背中の部分が不自然に2つ穴が空いている。その背中を見て、私は周りに人がいない事を確認してから声を張り上げた。

「待ってください……!」
「…………」
「っ、待ってください!天孤!」
「っ……」

最初は駄目だったけど、2回目の呼びかけに天孤は徐々にスピードを落とし止まってくれた。それを見て、私も同様にスピードを落とし一定の間隔を空けて止まる。

(よかった。止まってくれた)

「天孤……」

その事実にホッと安堵の息を吐いてから再度天孤と呼ぶと、彼女は頭に被っていたフードを取りこちらに向き直る。その時、天孤の長い綺麗な黒髪が揺れた。
少しの沈黙の後、先に口を開いたのは天孤だった。

「お久しぶりです。白鷲さま」
「……お久しぶりです。……あの、聞きたい事が」
「何故あの人間達を襲ったのか、ですよね」
「! はい、そうです」

私の聞きたい事が分かっている天孤に驚いたけど、それなら話は早い。何故工と若利さんを襲ったのか。それは自分の意思でしたのか、それとも誰かに言われて仕方なくしたのか。
この数々の疑問を聞くけど、返ってきたのは答えではなく質問だった。

「逆に聞きますが、妖怪である貴女が何故人間を庇ったのですか?」
「な、何故って……」

そんなの簡単だ。彼らは私にとって、とても大切な人達だからだ。まだ関わってそんなに経っていないけど、本気でそう思っている。傷ついて欲しくないと。

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