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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜


有り得ない。……だが、目の前で起こった出来事は変わらない。
その事実に、牛島と五色が目を見開きながら身体を固まらせる事しか出来ない時、女は動いた。

一瞬だった。
気付いたら、天狗のお面が目の前にあった。
女の手が、こちらに伸びてくる。

––––死ぬ。
そんな絶望の単語が五色の頭の中で駆け巡った瞬間、視界が揺れ身体が後ろに傾いていく。そんな中、五色の視界に牛島の背中が見えていた。

牛島に身体を押されて守られたのだと、五色は理解した。
そのせいで、代わりに女の手が牛島に伸びる。

「っ、牛島さん……!!」

触れる直前。たまらず叫んだ瞬間––––

「……っ!?」

一陣の風が吹き、五色の横を何かが猛スピードで駆ける。
視界の隅で、白い翼が見えた。














……む!…とむ!

「工!!」
「!?」

ハッと五色が我に返ると、目の前に眉間に皺を寄せ心配げに歪められた瀬見の顔があった。

「せ、せみさん……?」
「やっと気付いたか…。心配したんだぞ?」
「何回呼んでも返事しなかったからな……」
「やまがたさんも……」

横からも声が聞こえ五色が顔を向けると、そこには瀬見と同じく顔を心配げに歪めた山形がいた。
2人は膝を折り、しゃがんだ状態でこちらを見ている。そこで初めて、自分が道路に座り込んでいるのだと五色は気付いた。

「俺、何で……」

何故道路に座り込んでいたのだろうか。
そう疑問に思い、呆然と呟きながら周りを見渡した時、少し離れた所で白布が焦った様子で牛島に詰め寄っているのが見えた。そんな白布を宥めるように大平と川西が両隣に立ち、その様子を見ながら顎に手を当て何やら考え込んでいる天童の姿も。

「……白布さん、どうしたんですか?」

どちらかというと冷静な白布が取り乱している。その珍しい姿に五色は思わず聞くと、瀬見が「ああ」と呟き白布達の様子をチラリと見てから口を開いた。

「若利の顔……頰に、少し血が付いてたんだよ」
「それで若利が怪我したんじゃないかって、白布は焦ってああなったんだ」
「血ですか!?」
「ああ、それについては大丈夫だぞ」
「本人は怪我をしていないって否定してるし、その血は助けに入ってくれた白鷲のものだろうって言ってたからな」
「……しろ、わし」

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