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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜


(足が重たい…息が苦しい…。でも……!)

五色はいったん走るスピードを落とし、小さく深呼吸する。そして前を睨みつけるように見据え、またスピードを上げて走り出す。

(目指すは、牛島さんの背中……!)

いつの間にか遠くにある牛島の背中。あの後ろ姿を目指して、五色は全力で走る。そしたら、小さかった背中がどんどん大きくなっていき、それは距離が縮まっている証拠だ。その事を嬉しく思う五色だが、「ちょっと待てよ」と自分を制す。
いくらなんでも追いつくのが早すぎる。
そう疑問に思ってから五色は気付いた。牛島の足が止まっている事に。

(もしかして、俺を待っていてくれた?)

そう思ってから、いやいやと五色は首を横に振る。そんな事は今までなかったし、これからもないだろう。……でも、もしかしたらという可能性もある。

「ハア…牛島さん、お、俺を待ってなくて、良かったんですよ……」

それに悔しくなりながらも、どこかむず痒い思いをする五色は徐々にスピードを落とし、牛島の横に立って息も絶え絶えにそう呟く。だが、牛島はそんな言葉に反応せず、ただ前を見据えるだけだった。眉間に皺を寄せ、どこか険しい表情をしながら。

「?」

それを不思議に思った五色は、視線を牛島から前に移す。するとそこには、まるで自分達をここから先には行かせない、と言わんばかりに道の真ん中で仁王立っている人物がいた。
女だろうか、身体は小柄で黒いフードを被り、顔には天狗のお面がつけられている。それだけでも異様なのに、人気のない道路と合わさってか、より異様な雰囲気を醸し出す人物に五色は少し怖気付きながらも声をかけた。

「あ、あの、すみませんがそこを退いてくれませんか?俺達、ここを通りたいんですが……」
「…………」

だが望んでいた返事は返ってこず、ただ沈黙が返ってきただけだった。それに困惑し思わず牛島を見上げるが、彼もまた言葉を発さず表情を変えずに前にいる人物を見据えるばかり。
……取り付く島もないとはこういう事をいうのだろうか。そうしみじみ思う五色だが、いつまでもこうしている訳にもいかない。勇気を出して、もう一度前にいる人物に声をかけようとした時だった。

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