第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜
「あいつらも勿論そうだが、真白、お前もちゃんと帰って来いよ」
「!」
そう言った鍛治さんは、まるで私の事を本当の孫のように見ているようで。
「っ、はい!」
それが嬉しくて、胸が温かくなって、視界が少しぼやけながらも私は元気よく返事をしてから人気のない場所に向かった。
「よし、ここなら大丈夫かな」
向かった先は、体育館裏にある木と木の間。
やはり思った通り、木の葉っぱや地面に生えている草のおかげで周りからはよく見えないようになっている。
「…………」
杞憂であって欲しい。勿論その思いは捨てきれない。
でも、もしかしたらという可能性もある。
(だから……)
「みなさん、どうか無事でいてください……!」
私は元の白鷲の姿に戻り、みなさんの無事を確認するべく空へと飛び立った。
「いた!」
鍛治さんから言われた方向へ飛んで数分後、黒いTシャツを着て道を走っているバレー部のみなさんの姿を見つける事が出来た。
……見たところ変わった様子は見られず、周りも特に怪しいものは見当たらない。その事実に安堵の息を吐き、思わず体の力が抜けるけど、また体に力を入れて慌てて姿勢を元に戻す。
油断大敵。よくない事はまだ起きてなくて、これから起きる可能性もあるのだ。私はそう思い、みなさんが無事体育館に着くまで見守っていようと少し距離を詰めて飛び続けた。
「ム……?」
「!」
とその時、不意に何かに気付いたように顔を上げた覚さんと目が合ってしまった。それに驚き動揺して思わずふらつくと、覚さんは疲れた顔からパアッと目を輝かせ前を走っている獅音さんに声をかけた。
「獅音!獅音!」
「! ハア、ハア…急に元気になったなぁ、覚。どうした?」
「あれ!上!もしかして、鷲じゃない?」
「鷲?」
覚さんが上……正確には私を指差すと、獅音さんはその指につられて上を向く。そしたら当然目が合うわけで。獅音さんの瞳が驚きによって見開かれた。