• テキストサイズ

白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜


職員室に着くと、ちょうど鍛治さんが出て来るところだった。

「鍛治さん!」
「? 真白じゃねぇか。そんなに慌ててどうした」
「あの、実は––––」

今までの事を、掻い摘んで説明する。その間にも、また胸のざわめきが大きくなり思わず早口になってしまったけど、ちゃんと伝わったみたいで鍛治さんは真剣な表情で私を見据えてきた。

「……それ、本当か?」
「はい。だから、みなさんの様子を見に行きたいのですが、駄目でしょうか?」
「いや、駄目じゃねぇ。……お前達のそれは、中々侮れねぇからな」
「ありがとうございます!」
「だが、今から行って追いつくか?」

鍛治さんのその質問に、私は周りを見渡して誰もいない事を確認してから口を開いた。

「はい。元に戻って空から行きます。それなら追いつけると思うので」
「確かに、それなら大丈夫そうだが……戻って平気なのか?」
「はい。それも大丈夫です」

確かに、私は人間の姿になったらまだ1週間しか保たないけど、その途中で大婆さまみたいにまた元の姿に戻る事は出来る。まあ、だからといって、人間の姿になれる時間が増える訳ではないけれど。

「そうか、分かった。……俺にも何か手伝う事はあるか?」
「いえ。鍛治さんはいつも通り、明さんと一緒に体育館でみなさんの帰りを待っていてください」

私の杞憂であって欲しい。
胸のざわめきは未だにするけど、どうしてもこの願いは捨てきれないのだ。だから、鍛治さん達だけでもいつも通りでいて欲しい。……そしたらよくない事は起きず、みなさんもいつも通りロードワークから帰って来るような、そんな気がするから。
その事を伝えると、鍛治さんは納得したように頷いてくれた。

「確かに、真白の言う事には一理あるな。……分かった。明と体育館で待ってる」
「お願いします。……それでは行ってきます!」
「ああ、それと」
「え?」

鍛治さんに会釈して、人気のない場所に移動しようと踵を返した時、鍛治さんから言い忘れたみたいに言葉が発せられた。それを不思議に思い振り向くと、そこには真剣な表情ながらも瞳には温もりが込められた鍛治さんがこちらを見つめていた。
/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp