第17章 潜入、白鳥沢学園2日目〜天狗のお面〜
「……っ!?」
あれから、昨日のようにジャージに着替えマネージャーとしての準備を終えた後、ロードワークに行くみなさんを見送った。そして、ロードワークから帰って来るみなさんのために、水飲み場でスポーツドリンクを作っている最中だった。
突然、何の前触れもなく、ピリリとした気配を感じたのは。
「な、なに……?」
それに驚き、作業の手を止めてから周りを見渡すけど、特に変わった様子は見られない。いつもの白鳥沢学園の校舎があり、体育館があるいつもの風景だ。
……なのに、何故だろう。消えるどころか、どんどん胸のざわめきが大きくなっていく。まるで、これからよくない事が起こるのを知らせるように。
「っ……」
それと同時に、頭の中にバレー部のみなさんの姿が思い浮かぶ。まるで、そのよくない事が彼らの身に降りかかるのだというように。
……突然だったのだ。ただの杞憂かもしれない。でも、最初に感じた違和感を完全に拭い去る事が出来なくて、私は急いで残りのスポーツドリンクを作り駆け足で体育館に戻った。
昨日と同じように、若利さんだけでも帰って来ていると思ったけど、体育館にはまだ誰も帰って来ていなかった。その事を疑問に思い体育館にいた明さんに聞くと、いつものコースの道が工事中で、今日は遠回りをしていつもより長めのロードワークを行なっているようだ。
(よりによって何でこんな時に……!)
その事実に、思わず心の中で悪態をつく。
まただ。また胸のざわめきが大きくなった。
杞憂で終わって欲しかったけど、やはりもう、彼らに何かあるという事なのだろうか。
キョロキョロと体育館を見渡し、鍛治さんを探す。でも、鍛治さんの姿はどこにもない。
「あの、明さん」
「ん?何だ、真白」
「今鍛治さんはどこにいますか?」
「鷲匠監督なら、呼ばれて職員室に行ったぞ」
「ありがとうございます!私、少し鍛治さんに用があるので、職員室に行ってきます!」
「お、おう。分かった」
「失礼します!」
明さんに軽く会釈してから、急いで職員室に向かった。