第4章 小林君の欲情

キスをされている間もネクタイを外そうと引っ張ってみるが、より一層手首に食い込んできて痛く感じてきた。さすが刑務官と言うべきか。簡単に外せないように縛ってある。

「…んん……はぁ…ん」
舌で上顎をなぞり、歯並びや歯茎までも優しく舐めあげる舌使いは、明らかにさっきまでのキスとは違い、瑞希の体内がじわりと疼(うず)きはじめた。

＿＿ヤバいヤバいヤバい！
自由のきく足で蹴り上げようとしても、両足の間に小林の体が入り込んでいるせいで、床を蹴るだけしか出来ない。

「俺、ずっと我慢してきたんですよ…？」
唇を離して上から見つめる小林の顔は艶っぽく、いつもの陽気な顔からは想像できないほど色気を漂わせていた。