第4章 小林君の欲情
「…なんだあいつぁ?高嶋。お前何かやったのか?」
「やめてください。何もしてませんよ。」
「でもよー、幸せな顔してたぞ。あいつ」
「じゃあ、幸せな事でもあったんじゃないですか?知りませんけど」
瑞希と大橋が首を傾げている間、小林は受刑者の白い目を気にも止めず全身で喜びを表すかのようにスキップをしていた。
__あぁ、ありがとう神様っ!
たとえ夢でも、現実じゃない夢だったとしても、高嶋さんを抱ける夢を与えてくれてありがとうっ!あの唇、あの肌触り、あの匂い、もう幸せすぎて死にそうです!鼻血ものですっ!出来るならもう一度、もう一度だけ見させてください!あぁ、神様ぁぁぁぁ__っ!
そんな地に足がついていない小林の様子を他の刑務官から大橋の耳に入り、こっぴどく怒られて始末書をもう一枚書く羽目になった事は言うまでもない。