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be taken prisoner

第3章 story Ⅲ


「_っ__!!」
乾いていない傷口からは血が滲み出てくる。浅見は真っ赤な血を見つめると、ねっとりと血の味を確めるように舐めあげた。

「鷹、よく覚えといて。鷹を傷つけて良いのは俺だけだよ。他の奴が傷つけるのは許さない。…もし、俺が刑務所にいたら、そいつを殴り殺していたかもしれない。」
指で優しく傷口に触れると、血がまだ出ているのかヌルヌルと指を滑らせる。

「…もしかして…、これか…?」
傷口を触る手にそっと手を重ね動きを止めさせ、目を合わせた。

「いい歳してって、笑う?」
自分本位の態度から一転、少年じみた顔で悲しそうな笑顔を浮かべた。その自分の考えや思いを隠そうとせず、ストレートにぶつけてくる姿を見ると、愛しさが込み上げてくる。





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