第3章 story Ⅲ
「今日はありがとな…?あ、あと、ごめん…。」
「何で鷹が謝るの?」
冷たい視線で見つめてくる浅見に、顔をそむけた。威圧感で押し潰されそうになる。
「…そんなの…、自分が悪かったら謝るのが当たり前だろ?」
「…何が悪かったのか分からないくせに?」
すると、浅見は助手席の背もたれを倒し、瑞希の上へと覆い被さった。
「な、何してるんだよ…?!」
「アハハ!友達なのにって言いたいの?俺からしてみれば、「だから?」って感じだね。鷹は俺のものだし。そうだ、俺を怒らせた罰として、このまま縛り付けとこうか…?」
口では笑っているものの、冷酷な表情で見下ろしてくる。瑞希は恐怖のあまり肩を震わせると、浅見は軽く笑った。
「フフ。…ごめん、ウソ。ちょっと嫉妬しただけ…。」
「…嫉…妬?」
浅見は口で瑞希の絆創膏を強引に引き剥がした。ビリっという音とともに痛みが全身を貫く。