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be taken prisoner

第3章 story Ⅲ


「早く帰った方が良いんじゃない?全身濡れてるし、傘無いんでしょ?家まで送っていくよ。」
「…あ、ありがとう。」
浅見が先に立ち上がり、その後を追いかけるようにカフェを後にした。
車に乗り込むと車内は整頓されていて広く、椅子は革で出来ていて座り心地が良かった。瑞希は素人目から見ても高そうな内装に色々と見渡していると、浅見は軽く笑った。

「フフ。じゃあ、道案内よろしくね。」
「…え?あ。ああ、分かった。」
瑞希は頬を赤らめると、雨に濡れる街並みの中をゆっくりと車が動き出した。どんどん建物が横を通りすぎ、瑞希の家へと近づいて行く。寂しい気持ちになりながら窓から外を見つめていると、エンジン音が静かなせいなのか車内は静まり返っている事に気が付いた。

_こんな時、いつもなら何を話してただろう。何か会話した方が良いんじゃないか?いや、でも運転の邪魔したら__

色々と考えていると、車は減速させ信号機で止まった。こんな雨の強い日でも傘をさしながら沢山の人が前を横切る。浅見はドアに片肘を置き、頬杖を付きながら口を開く。




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