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be taken prisoner

第1章 story Ⅰ


「…って事は…。」
瑞希は目を細めながら、男の髪の毛の部分が見えないように手で目隠しをして、男を見つめた。そして一人の男の顔を思い出す。

「…あ!浅見?!」
「フフ。当り。」
この男の名は浅見(あさみ)恭一(きょういち)。3年ぐらい前に受刑者だった奴だ。性格は温厚で、なんでこいつが刑務所に来たと思わせるほどだった。

「いや~びっくりした。髪の毛が生えると分からないもんだな。」
「そうだね。今はだいぶ伸びて五月蝿いけど。」
浅見は前髪を指先で遊ばせながら笑った。
日本では、男の受刑者は丸坊主にしなくてはならない。だから、髪の毛が生えただけでもガラリと印象が変わってしまうのだ。

瑞希の座る向かいの椅子に腰を下ろし、ウェイターに珈琲を頼んだ。そのスマートに頼む姿は綺麗で、さっきまでの眠気もどっかにいってしまっていた。
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