第2章 story Ⅱ
瑞希は報告書を提出し、鞄と上着、花束を持って刑務所を後にする。大橋から貰ったメモ帳を確認すると、明らかに会社の住所ではなかった。メモ帳を握り潰し、足早に浅見のマンションへと向かった。
マンションに着くと、相変わらずの立派さにため息が出た。エントランスも変わらず綺麗で、誰でも一度は住んでみたいと思ってしまう程だ。そんな所に住んでいる浅見が少しだけ羨ましいと思ってしまう。
瑞希は、浅見の部屋に繋がるインターフォンを鳴らした。
『…はい。』
「あ…浅見?鷹島だが…。」
『どうぞ?』
エレベーターに続くドアの鍵が開き、瑞希は浅見の部屋へと足を進めた。