第2章 story Ⅱ
「懐かしいですね。浅見恭一は今頃どうしてるでしょうね?更正した姿を見てみたいな~。」
小林の何気無い言葉に、瑞希は急に「あの日」の事が蘇った。
浅見の匂い、体を触る手つき、舌の感触、程好く筋肉質な体、そして甘い声…。
瑞希は思わず口元を手で覆った。そんな姿を見た小林は驚愕し、近寄ろうとする。
「ど、どうしたんですか鷹島さん?!」
「いや、大丈夫。何でもない。」
瑞希は小林に掌を見せ、体に触れようとするのを止めた。疼き出した体を落ち着かせようと、数回深呼吸をする。
「本当に大丈夫ですか?」
不安そうな顔をする小林に、瑞希は微笑みながら見上げた。
「ああ、大丈夫だ。」
軽く息を吐いて姿勢を戻すと、小林も安堵の笑みを浮かべ、定位置に付くのだった。