第2章 story Ⅱ
「あ、あの!鷹島さんって付き…」
小林が言いかけた時、ピピピと瑞希の携帯アラームが休憩終了を告げた。瑞希はアラームを止め、落胆する。
「もう終わりか…。あ、小林。今なんて?」
「い、いえ!何でも無いです!鷹島さん行きましょう!?」
小林は焦りながら、瑞希の腕を引っ張り部屋を後にした。耳まで真っ赤にさせている小林に、瑞希は不思議そうな顔をするのだった。
受刑者数名を入浴場に連れて行き、脱衣場に他の刑務官が二人、入口に瑞希と小林が配置された。瑞希は女だから、自ずと場所は決まっているのだ。
「はぁ~。この時間が暇ですよね~。」
「そうだな。何もする事無いしな。」
二人はただ廊下の天井を見上げ、言葉だけで会話する。すると、小林は何か思い出したような声を上げた。