第1章 story Ⅰ
あれから何回ヤられただろう。覚えていない。腰も痛いし、全身ダルい__。
瑞希が目を覚ますと、そこには浅見の姿はなく毛布がかけられていた。身体中に痣(アザ)をつけられていることに気づき、笑いが込み上げてくる。
ハハ。バカだな。浅見の言った通り、のこのこついて来るんじゃなかった。
自業自得だ__。
私は浅見の声が好きってだけで、浅見は好きじゃない。
今すぐ躯を綺麗にしたい。
寝室のドアが開く音がすると、浅見はドアの間から顔を覗かせ様子を伺(うかが)ってきた。
「あ、起きた?ごめんね。激しくし過ぎたかな?」
にこやかに笑う浅見の顔を見た瞬間、瑞希は怒りが込み上げてきて、掌に爪が食い込むほど強く拳を握った。