第1章 story Ⅰ
「珈琲入れたけど、飲む?」
「ああ。貰おうかな。」
浅見は硝子のテーブルに二つ珈琲を置き、黒のソファーに腰を掛けると、瑞希も浅見の隣に座った。
「凄い部屋だな!どんだけ広いんだよ。」
「んー。分からないけど、部屋は4つあるよ。」
「独り暮らしには広すぎるだろ!」
「フフ。まあね。」
談笑しながら瑞希は珈琲に口をつけた。
「今日は非番?」
「ん?そうだな。」
「じゃあ、明日は休みだ。」
瑞希は何の確認だと思ったが、大した気にも止めず珈琲カップを戻そうとした瞬間、手が滑り床に落としてしまった。
「ごっごめんっ!!」
「いいよ。それより火傷しなかった?」
「ああ。大丈夫…」
瑞希は珈琲カップを取ろうとした時、手に違和感を感じた。