第1章 ヤドリギの下
三人の出会いは今から7年前に遡る。
清が母とイギリスに移住したのは7歳になる年だった。
当時、英語が話せなかった清は疎外感を味わい、学校ではいじめのような行為にも見舞われた。
三軒隣には子どものいないディヴィス夫婦が住んでおり、夫は清の母の職場の同僚でもあった。
妻のルエラは清を娘のように可愛がり、忙しい母に代わって英語を教えてくれた。
その甲斐もあって清がイギリスに随分馴染んだ頃、ディヴィス家に養子が来る話が持ち上がった。
その養子は双子でユージンとオリヴァーといった。
そのとき清は8歳になっていた。
人懐っこいジーンとはすぐに仲良くなり、ナルはとっつきにくかったが、それなりな関係を築けていた。
三人は幼馴染としてそれぞれ切磋琢磨しながら育っていった。
その双子にはサイキックと呼ばれる力があった。
才能も冴えた頭脳もある二人は父の職場でもあるSPRに所属し、学業と両立しながらそれぞれの役割を果たしていた。
そんな折、とある依頼でジーンは日本に行くことになった。