第4章 Home sweet home
清は急いで家の鍵を開ける。
「一体、いつから待ってたの?来るんなら先に言っといてくれないと困るんだけど」
「…次からはそうする」
ナルは家に上がり込むと、当然のようにソファに座った。
「何か飲む?」
「じゃあ、紅茶」
元々パーティーなんて好きじゃないから逃げてきたんだろうなぁ。
お茶を出して隣に座る。
ナルは手に持っていた本を読み始めた。
「私、ゾンビ映画観たいんだけど」
「どうぞ。僕のことは気にしなくていい」
某ゾンビ映画を再生する。
いや、ゾンビ映画観てる横でよく難しそうな本読めるな。
ゾンビを女主人公がバンバン撃ちまくって、効果音すごいのに。
「ねぇお母さん、何時ぐらいに帰ってくると思う?」
「さぁ?いつものように飲んでいたが?」
酔い潰れた操を迎えに行くのなら、もう少し起きていなくてはならない。
清はゾンビ映画の2本目を観ることに決めて再生ボタンを押した。
(でも、ちょっと眠たいな…)
同時刻、ディヴィス家でのパーティはお開きとなった。
リンはさっさと帰宅し、女性陣とジョンは翌日ロンドン観光をすることを決めていたのでホテルに戻ることにした。
ナルに挨拶をして帰ろうとしたが、彼は見当たらなかった。二階の自室にもいないようだ。
「どこに避難したのかなーって、まさか我が家か!?
……ま、いっか。だってナルだし」
そう言ってパーティが終わっても相変わらず飲み続ける上司をまどかがいさめる。
「ねぇ、操。そろそろ帰らないと清が心配しちゃうわよ」
「嫌よー!飲み足りなーい。ねぇ、滝川さんと安原さーん」
「はは…、随分と酔ってらっしゃる」
「操、本当に清が心配するわ。それにナルがそっちに行ってるなら早く帰ってくるように言ってちょうだい。こんな時間まで迷惑だわ」
ルエラがそう言うと、操はしぶしぶ立ち上がった。
「じゃ、家に帰って飲み直しますか!」