第4章 Home sweet home
6時前にはディヴィス家にメンバーが勢揃いしていた。
マーティンとルエラが笑顔で出迎える。
来ていないのはナルとリンだけ。
ルエラは「もうすぐ帰ってくるでしょう」と言い、予定通りパーティーは始まった。
「……そんなに帰りたくないんですか」
時間ギリギリまで研究室にいると、リンが時間だと呼びに来た。
しぶしぶ帰り仕度をして、彼が運転する車に乗り込む。
「帰りたいと言えば嘘になるな」
パーティーなんかどうでもいいから少しでも研究していたい、それがナルの本音だ。
家に着いたのは6時半。操が仁王立ちで出迎える。
「遅い!ゲストの皆さんをお待たせしてどうするつもり!?」
元はと言えばこの上司がイギリスに招待したせいだ。
「すみません。道が少し混んでいました」
さりげないリンのフォローを聞き流しながら、リビングに入る。
おかえりなさいというルエラのキスを受け入れると、日本支部のメンバー達(ジョン以外)が呆然としている姿が目に入った。
「…皆さん、お元気そうで」
「いや、ナルちゃん本当にイギリス人だったんだな…」
「当然とはいえ、渋谷さんだとすごい破壊力ですね」
「イギリスでは挨拶のキスは普通のことやから、気にせんでいいと思んますよ。麻衣さん、原さん」
「…何、固まってるのアンタ達…」
「あっ、ナルお邪魔してます!」
「お会いできて嬉しいですわ、ナル」
「……どうも」