第4章 Home sweet home
イギリス・ヒースロー空港。
まどかを含む日本支部のメンバー及び協力者達は長旅を終え、無事イギリスに降り立った。
イギリスまでは約12時間。
「疲れた…!」
初海外の麻衣はぐったりと荷物を床に落とした。
こんなに飛行機の長旅は疲れるのか。今度ナルが戻って来た時には少し労ってやろう。日本とイギリスを行き来する上司に思いを馳せた。
「麻衣さん、大丈夫でっか?」
金髪の神父が麻衣の顔を覗きこんだ。ジョンの優しさが身に染みる。
「あ、いたいた!まどかー」
その時、ロングヘアの女性が駆け寄ってきた。
「こんにちは、皆さん!ようこそ、イギリスへ。
フィールドワーク研究室長の日下部です」
にっこり笑って自己紹介する操。
まどかが「私とナルの上司よ」と補足してくれる。
「て、ことは俺たちをイギリスに招待してくれた人すか?わざわざ出迎えまで、すいません」
かしこまったように滝川が皆を代表して答えた。
「長旅でお疲れでしょう?さ、ホテルにご案内しますね」
操は笑みを浮かべたまま、貸切バスへ案内した。
「…普通に良いホテルじゃない…」
まどかと操がチェックインしてくれている間、ホテルのロビーで待たされる皆。
綾子が呟いた通り、用意されていたのは一流のホテルだった。これならかなり快適に過ごせるだろう。
「お待たせ!今日の夜はナルの家でちょっとしたパーティをしますから、それまでは皆さんゆっくりしてくださいね」
また夕方迎えに来る。鍵を手渡すとそう言って二人はホテルを後にした。