第3章 シンクロ〈new!〉
「ジーン!ジーン!!」
目を開けると、目の前に泣きながら自分の名前を呼ぶ清がいた。
「よかった…。死んじゃったかと思った…」
「清…?あ、いてて……」
一瞬何が起きたんだろうと思った。後頭部がずきずき痛んで、木から落ちて地面で頭を打ったのだと気付く。
すぐに起き上ろうとしたが、近くにいた大人に止められた。
「急に起き上がらない方がいい。君たちどこの子だい?親御さんに知らせないと…」
「ジーン!?」
「お母さん?」
そのとき、慌てて走ってきたのは操だった。
「どうしてここが?」
「だって、ナルがジーンに何かあったって。ジーン、大丈夫?何があったの?」
操が走ってきた方からゆっくりナルも歩いてくる。
「どうせ木登りでもしてて、ふざけて落ちたんだろ」
ナルは状況を見下ろして機嫌悪そうにそう言った。
「違うよ!私の帽子が風に飛んでって木に引っかかったのを取ってくれてたの!」
涙目の清に反論されて押し黙る。イラッとしたのがホットラインを通じて伝わってきた。
もしかして僕の気持ちもこんな風に筒抜けなんだろうか?