• テキストサイズ

ヤドリギ【ゴーストハント】

第3章 シンクロ〈new!〉



念のため病院に行ったジーンは特に異常はなく、自宅で安静にしているように言われて帰宅した。

「大事にならなくてよかったわ」とルエラは心底ホッとしていた。


ジーンは部屋のベッドに横になる。心配した様子で清もちょこんと隣に座った。

「ごめんね、ジーン。こんなことになるなんて…」
「気にしないで、清。ちょっと足が滑っただけなんだ」

頭にはたんこぶができていて、まだヒリヒリするけどすぐに治るだろうと医者は言った。

「それにしても何なの、ナルのあの態度!ちょっとは心配してよね!もー、あの心霊オタク…」

清は憤った。だって頭を打ったあの状況で全く心配せずに、まるで自業自得だと言わんばかりだった。



(清って、もしかしてナルのこと好きなんじゃないかと思ってたけど…)

ナルの悪口を並び立てて怒る姿はそうとは思えなかった。

(違うんならよかった…)



(何がだ?)
(わっ!?勝手に繋がないでよ!)

(…怪我はどうだ?)
(もう大丈夫。じっとしてるのが退屈だよ。なんだ、ナルも心配してくれてるじゃん)

(勝手に死なれたら困るからな)
(うん、ありがとう)



「ジーン、邪魔しちゃ悪いし私もう帰るね。ゆっくり休んで」
「うん。清もありがとう」


清が部屋から出るのを見送って、ジーンは穏やかな気持ちで目を閉じた。すぐに眠気が襲ってきて、夢の中に旅立つ。



(何の準備もできてないまま、死なれても困るからな……)

兄にもしものことがあったとき、弟が何を企てているかなんて彼はまだ知らない。





END
/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp