第2章 秘密
「だからねー、ジーンのことが好きなんだって。頼まれたら断れないじゃん?」
「へぇ」
「…全然感情がこもってないんだけど」
「どうでもいいからな」
清と2人の帰り道。
ジーンが誰と付き合おうが別にどうでもいい。
そもそもそんな感情は理解できないし。ただ調査に支障をきたされれば困る。それぐらいだ。
「上手くいくといいなぁ、デート…」
どうやらリリーは遊園地のデートに誘うつもりらしい。
先に家に着いたのは、ナルと清の方だった。
ディヴィス家でジーンの帰りを待ちわびる。
30分もしないうちに玄関のドアが開いた。
「ただいま〜、あれ?何でナルと清の方が早いの?」
「そんなことより、どうなった!?デートOKした?」
「え、……うん」
ジーンは恥ずかしそうに頷いた。
「やったー!作戦成功!」
「…えーと、作戦ってことは先生に呼び出されたのは嘘だったってこと?」
清はバツが悪そうに手を合わせた。
「ごめん、ジーン。実はリリーから頼まれて。
でも、あんな可愛い子と仲良くなってくれたら私も嬉しいから」
「そ、そう?」
「じゃあ、頑張ってね!」
そう言って清はウインクすると、満足そうに家に帰って行った。
「………ナル、日曜日入れ替わってくれない?」
「…僕が了承するとでも?」
「…だよね…」
がっくりとうなだれるジーンであった。