第1章 フジ×キヨ
フジ「キヨ…シようか」
キヨ「!!」
ずるい、俺の弱点知ってて耳元で言うなよ、
そんなん反則だろ…?
フジ「顔真っ赤だけど…キヨ、シたいの?シたくないの?」
なんて意地悪く聞いてくる。
こんなわかりやすい反応してんだぞ?
キヨ「そんなのわかってんだろ、いちいち聞くなって」
恥ずかしさとじれったさで、素直になれない俺。
フジ「またそんな言い方して…」
しょうがないなぁ、とでも言いたげに呆れた顔で笑う。
そんなフジの顔を見て少し、申し訳ないに似た気持ちになった。
俺が正直に言えてたら…。
気持ち…俺の正直な気持ち…は、
触れてほしい。
その大きな手と身体で、俺の全部を包み込んでほしい。
その想いが抑えられなくなった瞬間、
キヨ「っく…」
フジ「?」
キヨ「はや…く、」
フジ「へ…?」
キヨ「早く、シよ…?フジと、シたいって…ずっと思ってたっ、」
言えた…。けど、こんなの恥ずかしすぎだろ!
フジは黙ったままだけど、もうどうしたらいいのかわからない。
(くそっ、顔上げられねぇよ…フジなんか言えって/)