第3章 緑玉髄の魂
映はパソコンをフリーズさせ、おもむろに立ち上がった。
なにをおいても、まずは〝これ〟をなんとかさせることが先決だ。映ひとりでは、重すぎる荷物だから。
「あの、──乱歩さん」
声をかけたのは、この組織が〝探偵社〟を名乗るためにいちばんの功績を残す男。根っからの、それでいて稀代の名探偵。
──
「ふぅん。予告状か、あるいは脅迫状か……。うん、おもしろそうだね!」
──あー、はい。予想はしてた。してました。
「はいはいそうですねー、とっても乱歩さんが好きそうな展開で」
「うんうん! それで──
──いままでなにがあったのか、想像はつくけどさ。教えてくれるよね?」
──きっと、乱歩さんの想像はあたっている。
「──はい」