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不羈奔放【戦国BASARA】

第22章 雨宿りしたら 君と出会った【風魔小太郎】




外に彩輝はいない。どうやら中で待っていてくれたようだ。…否、やはり外に出ていたらしい。扉を開けると、先ほどの忍が布で彩輝の身体を拭いていた。彩輝はまんざらでもなさそうである。
「…」
「…」
思わずどちらの動きも止まる。
(彩輝が初対面で懐くなんて珍しい…)
ぱっと浮かんだのがこれだった。普段なら拒んでいるだろうに。政宗や小十郎も、初めは触れられるのすら嫌がっていた。
「え、と…ありがとう。私も、その子も」
「…」
忍がふるふると首を振る。気にするな、ということだろうか。
「ねぇ、ほんとにどこの…」
忍なの、とはやはり続けられなかった。忍の姿は一瞬にして消え、あとには冴と彩輝だけ。入口に立てかけていた傘も無くなっていた。
「…なんだったんだろうね、ほんと」
彩輝はただ、首を傾げただけだった。







翌日、甲斐の上田に到着し、彼と同じ忍である佐助に彼の事を話してみた。
「え、それ風魔じゃない?」
「え、あれが伝説の忍、風魔小太郎?」
姿を見た者はいない。見れば命の灯火が消されてしまうから。故に、伝説。それは忍の間では有名な話であり、冴も噂は耳にしていた。
「でもなんか親切で優しかったんですけど…?」
彩輝が懐いてしまうほど。
だがその疑問に答えてくれる者は、いない。







風魔小太郎の存在、本質は、謎、不思議、伝説のままである。






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choice 201~300
お題配布元:はちみつトースト 様
http://honey0toast.web.fc2.com/
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