第30章 アンタに殺されるなら喜んで瞳を閉じよう【政宗】
パチッと目が開いた。詰まりそうになっていた息を整えるために大きく深呼吸をする。視界に広がっているのは木の天井。冴はゆっくりと身体を起こした。変な夢を見たな、と小さく頭をかいてふと気づく。アレは悪夢の類に入るだろうに、嫌な汗ひとつかいていない。数秒視界を巡らせ、あぁそっかと小さく苦笑みをこぼす。
これが、本心なんだ。
アイツになら、殺されてもいい。
いつか、殺されるならアイツだという話をした。夢でこうなら、本当にこれが本心なんだ。ありえないとうぬぼれてはいるけれど、もしもの時は、素直に受け入れられる。
また小さく苦笑みをこぼし、冴は起こしに来るであろうアイツを待った。
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choice 501~600
お題配布元:はちみつトースト 様
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