第13章 約束の地へ【伊達政宗】
ふと、相手の陣形が妙な崩れ方をしている事に気づいた。確かに無茶苦茶に突っ込んではいるが、これは異常だ。まるで、別の所から崩されているような。
「まるで乱入者でも現れたかのようですな」
同じことを思っていたらしい。片倉小十郎が隣に並んで言った。
「…みてェだな。ったくどこのどいつだ?せっかくのpartyに水を差す奴は」
「政宗様がそれをおっしゃいますか」
「…言うじゃねぇか、小十郎」
以前敵国同士の戦に乱入したことのある伊達政宗が、じとりと小十郎を睨む。だがすぐに左目を凝らし、前方を見つめた。その乱入者は一体何者なのだろうか。いまいち物足りていなかった政宗の口角がつりあがった。
「さぁて、どんな奴が来るか…」
政宗は次々と倒れていく敵軍勢を前に、得物を構えなおした。
まだだ。まだ見えない。直接蒼い軍勢の方に行く道が無かったため、冴は逆方向から強行突破をしていた。だが、誰一人として殺してはいない。殺しが目的ではないから。
(まぁ、骨の数本イッてる奴はごろごろいるだろうけど)
粗方倒して進んだところで、〝蒼〟が視界をかすめた。
あと、少し。もうすぐだ。もうすぐ、約束を―――