第12章 傍から見れば、恋人同士【毛利元就】
その一部始終を、廊下の角から見つめている者が数名いた。元就の部下たちである。彼等は二人を見て、一斉に小さくため息をついた。
「どーーー見ても恋仲なのになぁ」
「強引だけど食べさせて差し上げてるし…」
「無意識だけどついたの取ってあげて…」
「だが、当人らにその気がまったく、なぁ…」
「いや、元就様は…」
「…あぁ、そうだ。元就様は、違うぞ」
「でも冴様は気づいておられない様だしなぁ」
「鈍いというか、これが当たり前になってしまっているからだろうな」
(((元就様、お可哀相に…)))
「へぐしっ!!」
「へくしっ!!」
密かに見られている冴と元就が、同時にくしゃみをこぼした。
((風邪か…?))
噂されているとはつゆ知らず、二人はまたしばらく庭の景色を楽しんでいた。
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choice 701~800
お題配布元:はちみつトースト 様
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