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不羈奔放【戦国BASARA】

第6章 いつかまた逢いましょう【梵天丸】↑後




真暁と冴の高瀬親子が米沢城に来て、早数十日。真暁の商売は奥州でも上手くいき、安芸から持ってきた品は全て売れた。
それによって米沢城滞在の理由も無くなり、2人は安芸へ帰ることとなった。
「大変お世話になりました」
「いやいや、こちらこそ…世話になった」
ちら、と輝宗の目が足元の梵天丸に向く。真暁が複雑そうな表情を見せたが、梵天丸も冴も気づいていなかった。
「ぼん」
「……」
冴が呼びかけるが、梵天丸は返事どころか目を合わせようともしない。
「…ぼん」
一歩近づくと一歩さがる。少し間があって、冴は悲しそうに俯いた。
「…ぼん、冴のこと、きらいになっちゃったの?」
「…ッちがう!!」
大きな声に驚き、冴は勢いよく顔を上げた。父2人はそんな様子を黙って見守っている。
「おれは…!おれは…いやだ」
「ぼん…」
「せっかく、ともだちになったのに。もう、あえないのか…?」
今度は梵天丸が俯いた。冴は梵天丸に近づいてその手をとった。
「だいじょうぶだよ、ぼんてんまる。また、あえるよ。いつか…おおきくなったら、あいにくるよ」
「…ほんとう、か?」
「うん!やくそくだよ!」
冴が笑うと、梵天丸もほんの少し笑った。

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