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【文スト】青空の憂鬱、記憶の残響【中原中也】

第6章 骨



よっつめの唄







ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きていた時の苦労にみちた
あのけがらわしい肉を破って、
しらじらと雨に洗われ、
ヌックと出た、骨の尖。

(中略)

ホラホラ、これが僕の骨──
見ているのは僕? 可笑しなことだ。
霊魂はあとに残って、
また骨の処にやって来て、
見ているのかしら?

故郷の小川のへりに、
半ばは枯れた草に立って、
見ているのは、──僕?
恰度立札ほどの高さに、
骨はしらじらととんがっている。






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