第17章 赤井side3
それから安室くんが
彼女に質問をする
安「ところで、名前ちゃん
"赤井"という男を知りませんか?」
安室くんは沖矢昴は
赤井ではないかと疑い続けている
子供に聞けば直ぐに
答えてくれると
思ったんだろうが
彼女の中の赤井という男は
夢の中だけの存在。
さて、どんな回答が来るか…
安「…で、名前ちゃんと
赤井はどんな関係なのかな?」
『夢の中によく出てくる人!』
安「実際に会ったことは?」
『無いよ?』
完璧だ。
いい子にはご褒美に
ケーキをもう一つやらんとな…
沖「名前さん、もう一つ
ケーキを注文しても良いですよ」
『やったぁー!
昴お兄ちゃん、だいすきー』
うむ。可愛い。
それからポアロを出て
手を引きながらの帰り道
『どう?昴お兄ちゃん
完璧だったっしょ?』
彼女のいう"完璧"というのは
子供のフリを完璧に出来たと
言う意味だが
俺は安室くんを誤魔化した事の
意味も含めて
沖「ええ、100点満点の
花マルをあげましょう」
と言った。
その夜、彼女の
頭の怪我の具合を見ていた
ジンに付けられた傷を見て
組織に対する怒りが
沸々と湧き上がる
同時に彼女を傷付けていいのは
俺だけだと独占欲に
心を揺さぶられる
触りたい、抱き締めたい、
キスしたい、虐めたい、泣かせたい
その感情を仕舞い込み
彼女にもう寝るように催促したが
まだ眠くないと駄々を捏ねる
可愛い、食べたい
彼女の体を抱き上げて
部屋まで連れて行き
ゆっくりとベッドに押し倒し
顔を近付けた
彼女の反応は
顔を真っ赤にさせて驚いている
このままキスしたいと言う
気持ちをぐっと堪えて
沖「ちゃんと寝ますか?」
と言った
『寝ます!…寝ますからっ!
そのっ…顔…近付けないでっ…!』
慌てたり、照れたりしながら
小さな手のひらを顔と顔の隙間に入れ
最大限の防御をする彼女が
可愛くて、愛おしかった
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