第16章 赤井side2
身を隠すのに
設定を決めておこうと言う
話をしたところで
玄関の扉が開く音が聞こえた
有希子さんが来たのだろう。
勢いよくリビングに入ってきた
有希子さんは両手いっぱいに
あり得ない程の荷物を持ってきていて
彼女が困っているだろうと
服や生活用品を買って来てくれた様だ
相変わらず元気が良い有希子さんは
少し彼女と似ていると思い
血筋に納得をしていた
有「昴くんもいるし。大丈夫よ!」
彼女の身を心配しつつ
俺に信頼を向けてくれる有希子さん
沖「ええ、彼女の事は
私が守ります」
ボウヤとも約束をした事だ
この可愛らしいお嬢さんは
俺が必ず守ってやるさ
有「任せたわよっ」
彼女は有希子さんに
両親にはこの事を黙っていて欲しいと
伝えていた
心配を掛けたくないという
彼女の優しさだろう
有希子さんは彼女頭を撫でながら
安心を与えていた
少しだけ有希子さんに
嫉妬する自分
その後、飛行機の時間があるからと
有希子さんは颯爽と帰って行った
ガッツポーズをしている彼女に
近付いて頭に触れる
そのままこの腕に
閉じ込めてしまいたい
そう思っていたが
彼女の顔を見れば
照れているか不機嫌なのか
何とも言えない表情をしていた
有希子さんは良くても
沖矢はダメなのかと尋ねれば
気分の問題と言われてしまう
少しの苛立ちを抑え込み
部屋に荷物を運ぼうかと提案した
散らかった洋服たちを
一度紙袋に仕舞うとそれらを
手に持ち彼女が使う部屋に
運ぶとお礼を言われる
部屋の様子はと言えば
キャリーケースの中身も
ひっくり返したままで
一緒に片付けようかと訊ねれば
『お、沖矢さんのえっち!』
と怒られてしまった
沖「ホォー…」
その怒る姿が可愛い
触りたい、虐めたい
衝動を抑える事が出来なくて
彼女の目線の高さまで
しゃがみ込みこの腕の中に
閉じ込めてしまった
ビクッと小さく体が跳ねて
驚きの声を上げる彼女
沖「もっとえっちな事しますか?」
と耳元で囁いた後
その小さな耳をぱくっと
口の中に含んだ
初々しい反応を見せる彼女は
俺の肩を両手で一生懸命押した
口の緩みが止まらない
早く全て食べ尽くしてしまいたい
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