第16章 赤井side2
翌朝も彼女が目を覚ます前に
起きて沖矢昴に変装をする
その時ボウヤから
連絡が来た
今日は元々工藤有希子さんが
この家に来る予定だったが
彼女の件と重なってしまい
彼女の事はボウヤが
上手く伝えたとの連絡だった
昨日の出来事もあってか
彼女はまだ起きて来ず
部屋まで足を運んだ
沖「名前さん、朝ですよ」
『…ん〜、今から二度寝するところ〜』
何とも言えない可愛い反応で
このまま襲ってしまいたいと
いう衝動に駆られた
ベッドの中でもぞもぞする彼女の
布団を剥いでしまいたい
そのままその体を組み敷いて
全部食べてしまおうか
無意識に伸ばした手が
彼女が被る布団を剥いだ
『やだぁ!沖矢さんのえっち!』
シーツの上で横になりながら
丸まる小さな子供姿の彼女を見て
我に返り、冷静さを取り戻す
沖「ホォー…朝ごはんは
ピーマンづくしにしましょうか」
冷蔵庫の中にピーマンなど
入っていないのを知りながら
意地悪く言い、
自分の気持ちを誤魔化した
やいやい言ってくる彼女は
明るくて元気で可愛いらしい
朝食を一緒に食べながら
彼女はまた昨夜の出来事を
話してくれた
『きっと私の事大好きなんだな!』
彼女が2日連続で夢に出て来た事の
理由を推理したようで
俺は動揺しかけた
だが、この俺を
こんな気持ちにさせてくれる彼女が
面白くて喉の奥で笑った
その様子を見た彼女は
何処かむすっとしていて
じっとこちらを眺めてくる
沖「ふふっ…私も好きですよ
その明るい性格が…」
本心を含めて言うと
急に苦しみ出す彼女
食べ物を喉に詰まらせたのかと
思い、慌てて水を渡すと
それを飲み干し落ち着きを
取り戻した様子で安堵する
彼女の行動や仕草が
一々可愛くて翻弄された
朝食の片付けも済ませ
今後の話をしようと思い
コーヒーを淹れてリビングの
ソファに座ると
ちょこんと隣に座ってくる彼女
小さくなった事は隠しておく様に。
そう伝えた
もし組織に彼女が生きていると
知られれば始末しに来るだろう
だが呑気な性格なのか
組織の脅威をまだ
理解出来ていないのか
彼女は何故?と質問して来たので
それに答えてやる
彼女は納得した様子で。
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