第10章 イケメンの看病代
安「よし、ベッドに戻ろうか」
そう言うと安室さんは
私を抱き上げてベッドに寝かせた
肩まで布団を被せてくれる
『安室さん、ポアロは?』
安「休みにしてもらったよ」
申し訳ない気持ちでいっぱいになる
え、
代わりに看病代払えばいいの?
イケメンの看病代…
めっちゃ高そう!!
安「気にする事は無いさ」
『わ、私は一人でも…大丈夫だよ』
そんな高額なお金
払えません!!
安「ダメだよ
大人がちゃんとついておかないと
さ、もう寝ようか」
『だ、だめ!看病しちゃだめ!
イケメンの看病代
払えるお金なんて無いよ!』
お、思わず言ってしまった…
安「ふっ…名前ちゃん
何言ってるんですか
看病代なんて
払わなくていいから」
『でも…』
安「では、代わりにこうしましょう
元気になったら君の事を
教えて下さい」
うっ…それは…
でも、看病代…
私は悩みに悩んで出した答えは
『…ちょっとだけだよ』
ほんのちょっとだけ
秘密な部分は言えないけど
少しだけなら…
その返事に安室さんは
にこっと笑って
安「はいっ、
では、いい子は寝ましょうね」
そう言って頭を撫でてくれた
私は目を閉じて
吸い込まれる様に眠りにつく
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次に目を覚ました時は
少し体が楽になっていた
薬が効いたのだろう
窓の外を見ると
まだ青々とした空が広がって
昼間だという事を認識した
ベッドの横のテーブルの上に
体温計が置かれていたので
それを手に取り体温を測る
今朝測った時より
少し下がっていた
そういえば沖矢さんに
連絡を入れるの忘れてる…
私は慌ててスマホを取り出した
画面を見ると物凄い数の
着信とメッセージ
私は慌てて折り返しの
電話を掛けようとしたけど
怒られるのが怖くて
メッセージ欄を開いた
『えーっと…何て送ろう…
心配かけてごめんなさい…と…
生きてるので安心して下さい。っと
よし、送信!』
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