第10章 イケメンの看病代
コ〈とりあえず、
昴さんにも連絡は入れてるけど
心配してるからちゃんと姉さんから
連絡入れとけよ!〉
『わ、分かってるよ』
コ〈あと…安室さんに
赤井さんの事何か聞かれた?〉
赤井さんの事…
昨日…倒れる前に
沖矢さんと赤井さんは
同一人物の可能性があると
言われたけど…
新一は何か知ってるのかな…
と、口を開こうとした時
ガチャっと扉が開いた
安「こら、名前ちゃん
ちゃんとベッドで寝てないと…おや?
電話中かい?」
『あ、安室さん…今コナンくんに
怒られてて…
コナンくん、安室さん来たから
また連絡するねー』
コ〈あ、ちょっ!〉
私はブチっと電話を切った
安室さんは両手に持ったトレーを
テーブルの上に置くと
私を抱き上げて膝の上に乗せた
すっと額を撫でるように
前髪を上げるとピタっと
ひんやりしたものを貼られた
熱さまシート…
ひんやりとしたそれは
私の体温を吸い上げてくれるようで
気持ち良かった
安室さんはトレーの上の
お粥をスプーンで掬うと
ふーふーと息を吹きかけて
少し冷ましてから私の口に運んでくれる
『あのー…』
安「ん?」
『自分で食べれます…』
なんじゃこの恥ずかしいやつ!
こっちは子供じゃないんだよ!
安「子供は大人に甘えるものだよ」
『子供じゃないもん!』
安「はいはい、あーん」
『はい、あーん…って
その手には乗るかっ!』
私は安室さんからスプーンを
取り上げて自分で食べ始めた
塩加減が絶妙な優しい味
お腹は空いていなかったけど
ぺろりと平らげてしまった
『ご馳走様でした
安室さんって料理上手だね』
安「一人暮らしが長いからかなぁ」
優しいしイケメンだし料理上手…
相当モテるんだろうなぁ、なんて
思っていると薬を出された
安「はい、これ飲んで寝ること
わかった?」
『はーい』
私は粒状の薬を口の中に含むと
グラスに入ったお水で
喉の奥へ流し込んだ
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