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異世界召喚とランプの精

第2章 異世界召還


「クラーロ」


豪奢な部屋で侍女が持ってきた朝食を食べていると
珍しく機嫌のいいマッドネスが入って来た


「おはようございます」


食事を中断し出迎えると
マッドネスは侍女を下がらせ
レイの横に腰を下ろした


「クラーロ、お前がこの世界に来て今日で半年だ」


「・・・はい」


「約束は覚えているな?」


「・・・・・はい」


「ならばよい
夜に来る準備をして待っているがいい」


「・・・・・」


「クラーロ」


返事をしないレイにマッドネスは低い声で名前を呼ぶ
ビクッと震え、分かりましたと小さい声で答えた


「クラーロ様・・・・・」


「・・・大丈夫よ」


レイ付きの侍女マリーに心配そうに声をかけられ力なく微笑んだ
朝食の途中だったが食欲を無くし下げてもらった


この国の王妃であるレイだがする事は何もない
一日に一回マッドネスに会うだけで
部屋に籠り礼儀作法を教わっていた
そんな日々を半年過ごした


そしてマッドネスが言っていた"約束"とは
ここに来た初日、いきなり"夫婦の契り"をしろと言われ
首を振り頑なに拒否をした
レイの拒否に激怒した様子のマッドネスだったが


"この者はお前の唯一無二の姫だ
お前を拒絶しているわけではない
この者には時間が必要だ"


ランプの精からの助言で猶予を与えられた
期限は半年それまでにレイと愛情を育めと


しかし一日一回あって会話もなくお茶をするのみ
愛情が育つわけもない
町から若い娘を連れてこさせ手籠めにし
その娘が身籠ってたものなら容赦なく手を下していた
そんな相手を好きになれるわけがない


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