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異世界召喚とランプの精

第2章 異世界召還


「ようこそ私の唯一無二の姫」


頭に響いた声と同じ声色がすぐそばで聞こえ
閉じていた瞳をゆっくりと開く


「だぁれ?」


「私の名はマッドネス・クレール・ド・リュンヌ・デシエルト
王国デシエルトの王だ
歓迎する唯一無二の我が姫よ。名は何という?」


目の前で不敵に微笑む銀色の髪の男"マッドネス"


「デシエルト?王??
貴方何を言っているの?」


「質問に質問で返すとはな
本来なら極刑に処すところだが
お前は私の唯一無二の姫だ許してやろう」


マッドネスは突き刺すような
冷たい青い目でレイを睨み
もう一度名を聞いてきた


「レイ・・・・です」


「レイ?この世界では珍しい名だな・・・
・・・・・クラーロ・デ・ラ・ルーナ」


「え・・・?」


「今日からクラーロ・デ・ラ・ルーナと名乗れ」


有無を言わさぬその声色にレイは静かに頷いた


「行くぞクラーロ」


「どこへ・・・・・っ!?」


行くのかと聞く言葉が途切れた
マッドネスの鋭い視線に晒され体が震える


「ランプの精
クラーロに花嫁衣裳を」


"願いを叶えてやろう"


ベリーダンサーが着る様な露出の多い衣装に
レイが着ていた服が一瞬で変わった


満足そうにレイを見つめ腰に手を回し
先を促すように歩き始めた
レイが歩くたびにシャラシャラと音が鳴り
心もとない衣装がヒラヒラと揺れる


暫くしてたどり着いたのは国が一望出来るテラスのような場所


「国民よよく聞け!
私の唯一無二の姫にして
我が国の王妃クラーロ・デ・ラ・ルーナだっ」


眼下には沢山の人が集まってざわついている
その表情は喜んでいる訳ではなく
疲れているかのような表情の者が多い
それを不思議に思いながらもマッドネスに促されるまま
豪奢な部屋に案内されデシエルトでの暮らしが始まった


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