第3章 王太子
「おや?お早いお帰りですね」
「ラフィネ・・・・・」
執務室に帰るとラフィネが
侍女を膝に乗せて
優雅にティータイムをしていた
「ライラお時間の様です」
「はい。ラフィネ様
またお持ちいたします」
「ええ、歓迎いたします」
殿下、シュヴァリエ様失礼いたします
と、挨拶を交わしひらりとラフィネの膝から降りて
ワゴンを押して執務室を出て行った
「テリオスどうかしましたか?」
悪びれなくにこやかに問いかけるラフィネに
テオリスの眉間には皺が刻まれていく
「あ~あれだあれ、宝物庫!
テリオスいつ宝物庫に行くんだ!?」
「・・・女とお茶をしているくらいだから
仕事は終わっているのだろうな?」
「ええ、滞りなく」
「よしっ!鍵貰ってくる」
シュヴァリエはそう言い残し
大きな音を立て扉を閉めて走り去った
「静かに出来ないのですかね」
「ラフィネ、ここ以外の場所にしろ」
「はい。承知いたしました」
暫くしてシュヴァリエが鍵と
部下を引き連れて帰って来た
「殿下、建国祭の警備のことで
騎士団まで行って参ります」
後で合流いたします
と、部下がいる手前丁寧語で挨拶を交わし
鍵を渡すと身を翻し宝物庫とは逆方向にある
騎士団詰め所へと歩いて行った
「さて、では我々は宝物庫に向かいましょうか」
「ああ」
鍵を握り宝物庫へと歩き出した