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異世界召喚とランプの精

第3章 王太子


宝物庫の前には二人の見張が立っていた
テリオスとラフィネが現れると
扉の前から退き左右に待機した
鍵を差し込み回すとカチャリと軽い音が鳴る
重厚な扉を押し開き室内に明かりを灯す


「初めて入りましたが
流石は宝物庫ですね」


「俺は今回で三度目だ」


灯りに照らされキラキラと輝く王冠
代々の王がそれぞれに作り上げた王冠は
一つとして同じ物は無い


「ではまず建国祭の品物を選びましょう」


今年は建国1000年の祭と言うことで
初代国王マッドネスが使っていた
王冠、剣、衣装、等を選んでいった
ラフィネがメモした紙を
入り口に待機している衛兵に手渡し
もう少し見て回ります
と、言って扉を閉めた


「テリオスなにかありましたか?」


広い宝物庫の奥でテリオスが棚の一点を見つめていた


「以前ここには何もなかった」


何冊かあるうちの一冊を取り出し表紙を捲ると
マッドネス・クレール・ド・リュンヌ・デシエルト
と署名がしてあった


「悪い遅くなった!」


扉が開きシュヴァリエが手を上げて入ってきた
宝物庫に入るの初めてだ
と言うシュヴァリエに対して
ラフィネはにこやかに毒を吐いている
騒ぐ二人を横目にテリオスは棚から手記を抜き取る


「これは・・・・・」


手記の後ろから両手の平大の箱が手出てきた


「なんだその箱?」


テリオスの声に気づいたシュヴァリエが
覗きこんだが返事を返さず
持っていた手記を押し付けそっと箱を持ち上げた
その瞬間カチッと音が鳴り箱が勝手に開いた


「ランプのようですね」


「・・・これは・・・・・
・・・クラーロ・・・」


「「!?」」


テリオスの言った小さな言葉が聞き取れなかったが
二人はテリオスを顔を見て目を見開き驚いた
テリオスは笑みを浮かべ愛しそうにランプを撫でる


「クラーロ・デ・ラ・ルーナ
俺の唯一無二の姫だ」


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