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異世界召喚とランプの精

第3章 王太子


「・・・・・宝物庫」


ポツリとテリオスが呟いた


「宝物庫~?
でもあそこは王家の人間しか入れねぇじゃん」


「ええだからこそです」


二人の視線がテリオスに向かった


「宝物庫には簡単に入れない
王太子の俺でも」


「そうだよな~
国宝がゴロゴロある様なところだしな
どうやって入りゃいいんだ?」


「シヴァー無駄なことはお止めなさい
脳筋の頭で考えても何も思い付かないでしょ?」


う~んと唸り頭を抱えるシュヴァリエに
ラフィネは笑顔で毒を吐いた


「私に少々考えが・・・」


ラフィネが話し出した所で
ノックの音が聞こえ話は一時中断し
シュヴァリエがドアの横に立った


「誰だ」


「ダリスでございます」


テリオスからの目配せで
シュヴァリエが扉を開くと
白髪混じりの頭を深々と下げダリスが入室してきた


「殿下、陛下が御呼びでございます」


「あの話なら断ったはずだが?」


「いいえ、あのお話ではございません
3日後に行われる建国祭について
でございます」


「分かった
すぐに伺うと陛下に伝えてくれ」


返事を聞き入ってきた時と同様に
頭を下げ退出していった


「一人ぐらい囲っても良いんじゃねえの?」


「そうですよテリオス
脳筋と同じ意見なのは癪ですが
王太子は何かと気苦労が絶えませんし
体だけでも癒していただけばいいのですよ」


「そうそう
あと腐れなさそうな一夜限りの女紹介してやろうか?」


「わざわざ城下から呼ばずとも
私の屋敷の侍女は如何でしょう?
口は堅いし私が仕込みましたのでお墨付きですよ?」


「うわぁ~聞いたかテリオス!
こいつ仕込んでるんだってよ」


「ラフィネ・・・
王宮の侍女や女官に
手は出してないとろうな?」


「おや、心外ですね
私から誘ったことは一度たりともありません
向こうから抱いてくださいと来るのですよ?
可愛がってあげなくては ね?」


にこやかに微笑むラフィネに
なにを言っても無駄だと覚り
話を切り上げテリオスは重い腰をあげた


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