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ジャンルごちゃ混ぜ短編集

第1章 太陽の光のもとに鳥は飛ぶ【笛・尾形智】



それから尾形と羽実は、校内で会うと少し話をするようになった。昨日はあんな鳥がいた、昨日はこんな写真が撮れた。そんな会話が、尾形の楽しみになっていた。
ある時、尾形は羽実の写真を見ていてふと思うことがあった。
「真藤さんは、人は撮らないのか?」
きくと彼女は一瞬動きを止める。そして、肯定の頷きを見せた。
「人を撮るより、自然を撮りたいの。人を撮るにしても、ポーズとかじゃなくて、自然体がいい。でも、そういうのってなかなか撮れないでしょ?人はどうしても意識してしまうから。だから私は自然を撮るの」
「…ふーん…」
こだわりがあるんだな、と尾形は羽実を見て微笑んだ。
「そういうこだわり、いいと思う」
羽実は目を丸くして驚き、そして、ありがとうと微笑み返したのだった。
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