第1章 太陽の光のもとに鳥は飛ぶ【笛・尾形智】
「…でも、ひとつ、お願いがある」
「お願い?」
今度は羽実が首を傾げる番だった。胃を決して、尾形が口を開く。
「真藤さんのことが好きです。付き合って、ください」
「…!」
羽実が目を見開く。口は半開きで、驚きを隠せていないことがわかる。尾形はとにかく羽実のこたえを待った。
「…初めは、普通の友達だと思ってたの。話のあう、友達。でも、今日はっきりわかった」
羽実が顔を上げてまっすぐ尾形を見た。
「私も、尾形くんのことが好きです」
ほんの少し顔を赤くして微笑む彼女が目に映る。尾形の緊張していた顔がぱぁっと晴れる。
「これからも、よろしく」
「こちらこそ」
君はぼくの太陽。
きみが輝き続けてくれるなら、ぼくは太陽のもとを駆ける、鳥になる。