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刀剣乱舞/天青 【刀剣乱舞】

第9章 所縁あるもの、北の地への出陣



「…ならば急ぎ政宗様の元へ。政宗様の元へもこやつら行っておるかもしれませぬ」
「いいや、こいつらの狙いはきみだ、片倉小十郎殿」
「な…どういう…」
首を振って言う鶴丸国永に、片倉小十郎は愕然とする。その時悠青の元に薬研藤四郎が戻ってきて、伊達政宗の元に時間遡行軍はいない事を告げた。それを横目で確認し、鶴丸国永は続ける。
「きみがここで死ねば、伊達政宗殿に未来は無いだろう。だからきみは生きて、公を支えなくちゃいけない。わかるな?片倉小十郎景綱殿」
真っ直ぐな金色の瞳で見据えられ、片倉小十郎は目を瞠った。そして気を引き締め、確かに頷く。
「…はい。必ず生きて、政宗様の元へお戻りします!」
決意の声に呼応するかのように時間遡行軍が増加する。六振りと二人は、立ちはだかる時間遡行軍を全力で返り討った。









時間遡行軍を全滅させると、彼らは片倉小十郎に告げる事なく忽然と姿を消した。本丸に戻り、手入れ部屋へと向かう。その道中、鶴丸国永は下からの視線に気づいて眉を上げた。
「なんだ?薬研」
「いや?なんだかんだ言って、やっぱ思い入れがあるんじゃないかと思ってな」
その言葉に、ぱちりとひとつ目を瞬かせる。
「うん?そりゃあ、政宗公が生き延びてくれなきゃ俺の行く末も変わってくるからな」
「そういうことにしておくか」
なんだそりゃ。その言葉を薬研藤四郎は聞かない振りして先を歩く。どうにも釈然としない心地で鶴丸国永も後に続いた。





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