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刀剣乱舞/天青 【刀剣乱舞】

第7章 救いたいもの、救えないもの、その決意



「…はっ。見くびってもらっちゃあ困るぜ」
極僅かに震える声。だが彼は、土方歳三の愛刀であった和泉守兼定は、はっきりとそう言った。
「函館戦争の真っ只中だろうが行ってやらあっ」
「兼さん…」
「お前はどうする?堀国」
「僕は…」
堀川国広がぎゅっと拳を握り締める。堀川国広もまた土方歳三の愛刀であった一振り。また、最期の時まで彼と共にあったと言われている。堀川国広は数秒ぎゅっと目を閉じた後、大きく深呼吸をして、しっかりと現在(いま)の主を見据えた。
「僕も行きます。兼さんが行って、僕だけ行かないなんてできないでしょう?」
「国広…」
「…二人共、いいんだな?」
「おう」
「はい!」
「…わかった」
言って悠青は立ち上がる。そして、和泉守兼定をみすえた。
「編成部隊を招集する。隊長は…お前だ、和泉守兼定」
「、俺?」
いつも隊長は近侍でもある加州清光が担っている。それをあの地で初めて、自分に隊長を任せられることになるのだ。
「あぁ、今回はお前に任せたいと思う。やってくれるな?」
「…おう!やってやろうじゃねぇか!」
和泉守兼定の意気込んだ答えに悠青はしっかりと頷き、編成部隊員を招集した。









「隊長、打刀、和泉守兼定」
「おう!」
「以下、打刀、加州清光」
「はーい」
「脇差、堀川国広」
「はいっ」
「打刀、歌仙兼定」
「あぁ、承知したよ」
「短刀、薬研藤四郎」
「あぁ」
「短刀、小夜左文字」
「…うん」
全員を見渡し、悠青は告げる。
「時は明治二年五月、函館戦争の真っ只中だ」
彼らは征く。時間遡行軍から、歴史を守る為に。

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