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刀剣乱舞/天青 【刀剣乱舞】

第7章 救いたいもの、救えないもの、その決意



ゆっくりと、悠青は目を開いた。〝予知〟した先の事を考え、眉間に皺を寄せる。あの時代、あの場所は、確か。
「…」
ともあれ〝本人達〟にまず告げるしかないだろう。悠青は意を決し、彼らの部屋へと向かった。








「和泉、堀国、今いいか?」
空いている襖から部屋の中へ顔を覗かせると、和泉守兼定と堀川国広は目を瞬かせた。
「どうしたんですか?悠青さん」
「次の出陣先を伝えに来た」
「お?俺達の出番ってわけだな。で、どこなんだ?」
「……」
「悠青さん?」
間を置く悠青の様子に堀川国広が首を傾げる。悠青は小さく息をつき、二人を見据えて口を開いた。
「時は明治二年五月」
ぴくり、と二人が僅かに震えた気がした。
「場所は………函館だ」
「…………函館、戦争……」
彼らの元主、土方歳三が戦い、死した時代。二人共明らかに動揺しているのが見てとれた。
「まずはお前達に伝えようと思ったんだ。どうする?行くか?やめておくか?」
「……」
下手をすれば元主を〝救う〟ことになってしまうかもしれない。そうなれば歴史が変わる。時間遡行軍を同じことになってしまう。彼らの〝覚悟〟が見たかった。
「果たす自信が無ければ残ればいい。それを誰も責めはしない。それはおそらく誰もが内に抱えているものだろうからな」
ここで助けられれば元主が助かるかもしれない。そんな思いは、多くの刀剣男士達が思っていることだろう。だが彼らの役目は〝歴史を守ること〟。時間遡行軍と同じようになってはならない。
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